住宅の窓の種類とメリット・デメリット

窓の種類と開閉方法の説明図(滑り出し窓・引違い窓など)

住宅の快適性や省エネ性能を大きく左右する「窓」。新築やリフォームを検討する際、どの窓を選ぶかは重要な決断の一つです。
それぞれの窓には異なる特徴があり、設置場所や用途によって最適な選択は変わります。 あなたのライフスタイルに合った窓選びのために、主要な8種類の窓について詳しく解説していきます。

引き違い窓(スライド窓・横引き窓)

引き違い窓は、2枚のサッシを左右にスライドさせて開閉する最も一般的な住宅用窓です。 マンション・戸建て住宅問わず広く採用され、リフォーム時の窓交換でも人気の高い窓種です。

開口部を大きく確保でき、操作も簡単で日常的な窓掃除がしやすいというメリットがあります。 一方で、断熱性・気密性が劣りやすく、サッシレール部分に汚れが溜まりやすいデメリットもあります。 また、有効開口面積が半分に限られるため、自然換気・通風効果に限界があります。

上げ下げ窓(ダブルハング窓・バーチカルスライド窓)

上げ下げ窓は、上下2枚のサッシを縦方向にスライドさせて開閉する洋風住宅に人気の窓です。 輸入住宅やカントリーハウス、北欧風住宅などの外観デザインにマッチする窓種として注目されています。

風の通り道を上下で調整でき、洋風建築の外観デザインに適しているメリットがあります。 しかし、開口部が限られるため外側の窓掃除が困難で、操作に力が必要な点がデメリットです。 また、上部サッシが落下する安全リスクもあるため、定期的な窓メンテナンスが必要です。

はめ殺し窓(FIX窓・固定窓・ピクチャーウィンドウ)

はめ殺し窓は開閉機能がない固定された採光専用窓で、自然光を取り入れる目的で設置されます。 高断熱住宅や省エネ住宅、デザイナーズ住宅などで景観を活かした大開口窓として採用されています。

高気密・高断熱性に優れ、大きな開口部でも構造的に安定しているメリットがあります。 一方で、室内換気・自然通風ができず、外側の窓清掃は足場や専門業者が必要なデメリットがあります。 また、火災時の避難経路として使用できない点も住宅設計時に考慮が必要です。

折りたたみ窓(アコーディオン窓・バイフォールド窓)

折りたたみ窓は、複数のサッシをアコーディオン状に折りたたんで開放する開放感重視の窓です。 リビング・ダイニングとウッドデッキやテラスを繋ぐ大開口窓として人気が高まっています。

有効開口面積を最大限に活用でき、室内外の一体感を演出できるメリットがあります。 しかし、複雑な窓構造で故障しやすく、窓工事費用が高額になりがちなデメリットがあります。 また、断熱・気密性の確保が困難で、防犯性・セキュリティ面での配慮も必要です。

縦すべり出し窓(サイドハング窓・縦軸回転窓)

縦すべり出し窓は、サッシの縦軸を中心に外側に回転して開く機能性重視の窓です。 トイレ・洗面所・キッチンなどの水回りや、プライベート空間の換気窓として多用されています。

少ない窓開き幅でも効率的な自然換気が得られ、雨の日でも室内換気しやすいメリットがあります。 一方で、開いたサッシが外に突出するため、隣地境界や通行人への安全配慮が必要です。 また、防虫網戸の取り付けが困難で、強風時にはサッシが煽られるリスクもあります。

横すべり出し窓(トップハング窓・オーニング窓)

横すべり出し窓は、サッシの上部を軸に下部が外側に開くプライバシー重視の窓です。 高い位置に設置される高窓・欄間窓や、外からの視線を遮りたい居室の換気窓として活用されています。

雨水の侵入を防ぎながら室内換気でき、プライバシーを保ちやすいメリットがあります。 しかし、開口角度に制限があるため換気量が限られ、外側の窓清掃が困難なデメリットがあります。 また、開いた状態で降雨があると、サッシの内側に水滴が付着しやすくなります。

片開き窓(シングルハング窓・開き窓)

片開き窓は、縦軸を中心に片側だけが開くシンプル構造の窓です。 玄関・階段・廊下などの限られたスペースや、窓周辺に家具を配置したい居室で採用されています。

シンプルな窓構造で故障が少なく、高気密・高断熱性を確保しやすいメリットがあります。 一方で、開いたサッシが室内に突出するため、家具配置・インテリアレイアウトに制約が生じるデメリットがあります。 また、有効開口幅が限られるため、大きな物の出し入れや緊急避難には不向きです。

突き出し窓(プッシュアウト窓・外開き窓)

突き出し窓は、サッシの下部を軸に上部が外側に開く採光・換気両立型の窓です。 2階以上の高所や吹き抜け部分、天井近くの高窓として設置されることが多い窓種です。

上部からの自然採光と室内換気を両立でき、雨水の侵入を抑えられるメリットがあります。 しかし、開口角度が小さく換気量に限界があり、外側の窓清掃・メンテナンスが困難なデメリットがあります。 また、強風時にはサッシが急に閉まる安全リスクもあるため、窓ストッパーなどの安全対策が必要です。

まとめ

窓の変更のお考えの方も、ぜひ弊社にご相談ください。

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